【『日本語の作文技術』】その「読点」、何故つけるのか説明できますか?

 

Ainowo
こんにちは、Ainowoです。

 

今回は、日本語作文の「技術書」として名高い(?)『日本語作文の技術』(本多勝一・著)という本の紹介を行います。

目次

目的は「わかりやすい文章」を書くこと

『作文技術』と銘打たれたこの本が教えてくれるのは、いわゆる名文」や「うまい文章」、「文学的な文章」の書き方ではなく、「わかりやすい文章」を書くための方法です。

本書の特徴的な点は、「わかりやすい文章」を書くための方法を、ふんだんな例文と、時に図も用いながら理論立てて解説してくれることでしょう。

単純にやり方のみを解説するのではなく、「なぜこの文はわかりやすいのか(わかりにくいのか)」を一つ一つ解説しているので、どんな人であろうと、「名文」ではなくとも、人に伝わる「わかりやすい文章」を理論的に書くことが出来るようになっています。

本書で解説されている技術のいくつかをここで簡単に紹介します。

修飾語について

修飾語は文の表現を豊かにしてくれる一方で、「誤読」の原因にもなります。

例えば次のような文があります。

「たくさん目当てのキャラが出るまでガチャを回す。」

この文が、目当てのキャラを求めて「ガチャを回す」ことを「たくさん」繰り返すという意味で書かれていたとします。

しかし、この文では、「目当てのキャラ」が「たくさん」出るまでガチャを回すという意味にも捉えることが出来てしまい、誤読を生んでしまいます。

では、この場合どう書くのが正解でしょうか。

正解は、語の順番を変えればよいのです。

「目当てのキャラが出るまでたくさんガチャを回す。」

このように「たくさん」の位置を少し入れ替えれば正しく意味が伝わる文になるでしょう。

しかし、この例を読んで「こんなの当り前じゃないか」と思う人がいるかと思われます。

おそらく日常的に文章を書く人であれば、この程度のことは感覚的にこなしていることかと思います。

ですが、本書はその「感覚的」な部分を「理論的」に説明してくれています。

「感覚」に頼ってしまうと、もっと長くて複雑な文になった時に、どうすればわかりやすくなるのか迷いが生じることがあるかもしれません。

また、結果として本当に読みやすい文になっているかどうかは本人の「感覚」に依存してしまいます

しかし、「理論」に基づいていけば、誰でもある程度わかりやすい文を書くことが出来るのです。

(もっとも、「わかる」「わからない」とは結局「感覚」であるので、本書で紹介されている「技術」や「理論」も、著者の「感覚」に依拠している部分があるということは留意すべきです。)

「読点」について

「読点」の打ち方こそ、多くの人が文章を書く上で「感覚的」に行っていることかと思います。

本書はそんな「読点」を「理論的」に使っていこうとチャレンジしています。

詳しい内容は実際に本を読んでもらうとして、内容を簡単にまとめると、

単純に文節で区切るといった無駄な「読点」は使わないようにして「誤読」を防いだり、文を「読みやすく」出来たりする適切な個所で使っていこう、ということです。

そのためには、先ほど述べた修飾語の並びやその際の文構造、並列関係などを理解する必要があります。

ずいぶんとざっくりとした説明になってしまいましたが、すべてを説明するととても長くなってしまうので、気になる方はぜひ本書を読んでみてください。(完璧に説明できる自信がないとも言う)

まとめ

本書は日本語の文章を書く上で、いろんな人が「感覚的」に行ってきたこと、あるいは「感覚」として違和感などを感じてきた文の書き方などに、一定の「理論」を与えてくれる本となっております。

ですので、新しい発見にあふれているというよりは、「ああ、これってこういうことだったのか」という「気づき」が得られる本かと思います。

というわけで、

  • わかりやすい文を書く方法を知りたい人
  • 理論的に文章を書きたい人
  • 自分の文がわかりやすいのか自信のない人

は、この本を読んでみると、何かしらのアイデアが得られるのではないでしょうか。

個人的には、小説や詩などの文学的な方面以外の文章、例えば作文や論文、それこそブログを書く人などにはぜひ読んでもらいたい本になっております。

気になったらぜひ読んでみてください。

それでは。

Ainowo

 

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